T様は、個人事業主として、「とび・土工」の業種で建設業許可を申請希望とのことでした。
5年前からは個人事業主ですが、以前は「とび・土工」の建設業許可を保有する会社で勤務していました。
常勤役員等の資格は、個人事業主としての確定申告書をもとに証明しますので、確定申告書を保管しているか確認したところ、5年分あるとのこと。

次に、専任技術者としての資格については、国家資格などはお持ちでないとのことなので、今回は実務経験10年で申請することとしました。
まず、前職の会社での経験が使えるかどうかを確認しました。東京都の許可業者だったので、都庁に確認し、T様が在籍していた期間に、「とび・土工」の建設業許可を保有していたかどうか問い合せたところ、保有していたことが確認できました。

そして、T様がその会社に当時在籍していた確認資料として、厚生年金記録照会票を取得したところ、必要な期間中、その会社に在籍していたことが確認できました。これで、10年分の経験のうち、5年分はクリアです。

次に、個人事業主としての5年分の経験を証明します。これがクリアできれば、常勤役員等(経営管理責任者)としての5年分の経験も合わせてクリアできます。

しかし、これが厄介で、T様は工事受注の際、契約書や請書を取得していませんでした。手元にあるのは請求書のみ。そこで、5年分の請求書と通帳の入金記録をもとに資料を作成しました。
東京都の場合は、指定の様式に沿って工事経歴を記入すると、3か月に1件の工事記録があればOKなので、そのルールに沿って、請求書と入金記録を合わせて資料を作成し、東京都に提出しました。
資料の作成に時間がかかりましたが、依頼から1か月ほどで資料は完成し、申請できました。

建設業許可申請では、全てがスムーズに行くことの方が珍しいです。そのような場合でも、資料を丁寧に追いかけて書類を作成していけば、許可は取得できます。