ある日、いつもお世話になっている元請けの担当者から、こんな電話がかかってきたらどうしますか?

「急で申し訳ないんだけど、ウチの社内ルールが変わって、来月から建設業許可を持ってる業者さんとしか取引できなくなったんだ。だから、悪いけど許可、取ってくれない?」

「うちは500万円未満の工事しかやってないから、許可なんて必要ないと思ってた…」
「今さら急に言われても、どうすればいいんだ…」

もし、あなたが今まさにこのような状況に直面し、血の気が引くような思いをしているなら、この記事はあなたのためのものです。

これは他人事ではありません。近年、こうした「突然の許可取得要請」に直面する建設事業者様が、東京都内(多摩地域など)でも急増しています。そして、この電話一本で、長年の取引が途絶えてしまうか、それとも事業拡大のチャンスに変えられるかが決まります。

結論から言います。建設業許可は「最短」で取得可能です。

この記事では、今まさに「許可取って」と言われてしまった社長様のために、建設業許可専門の行政書士が、パニックを乗り越え「最短」で許可を取得するための具体的な行動手順を「実践的ロードマップ」として徹底解説します。

なぜ元請けは「急に」許可を要求するのか?

まず、落ち着いて相手(元請け)の事情を理解しましょう。「500万円未満なら法律上OK」というのは、あくまで法律論です。元請けが許可を要求するには、彼ら側の切実な理由があります。

理由1:コンプライアンス(法令遵守)の徹底的な強化

これが現在、最も多い理由です。大手ゼネコンやハウスメーカー、上場企業にとって、取引先が「建設業許可を持っていない」ことは、それ自体が「リスク」と見なされます。

  • 万が一、下請業者が事故やトラブルを起こした場合、「許可もないような業者をなぜ使ったのか」と発注者や社会から厳しく追及されます。
  • 許可取得時にチェックされる「欠格要件」は、反社会的勢力の排除や、過去の法律違反歴の確認も含みます。元請けにとって、許可証は「最低限のスクリーニング(足切り)」の役割を果たしているのです。

そのため、「取引先は許可業者に限る」という社内ルールを設け、500万円未満の工事であっても、無許可業者とは一切取引しない企業が急速に増えています。

理由2:元請け自身の「経審(経営事項審査)」対策

元請けが公共工事を受注するために受ける「経営事項審査(経審)」において、下請業者(許可業者)への発注実績が評点に影響する場合があります。元請けが自社の評点を維持・向上させるために、下請けにも許可取得を要請するケースです。

理由3:受注する工事の大型化

元請けの業績が良く、より大きな工事(例えば1,000万円の工事)を受注するようになった結果、あなたに発注する工事も「うっかり500万円を超えてしまう」可能性が出てきた、というパターンです。元請けとしても、500万円の壁を気にしながら仕事を発注するのは手間であり、リスクでもあります。

理由がどうであれ、「許可がない=取引先として足切りされる」時代が来た、という事実は変わりません。これはもう「待ったなし」の状況なのです。

【結論】建設業許可取得までの「最短期間」はどれくらい?

今、あなたが一番知りたいのは「現実的に、どれくらいの期間で取れるのか?」でしょう。

「1週間や2週間で取れる?」——残念ながら、答えは「不可能」です。

建設業許可の申請先である行政庁(東京都など)には、申請を受理してから許可を出すまでの「標準処理期間」が定められています。これが約30日~45日程度かかります。この行政庁の審査期間だけは、誰にも短縮できません。

つまり、建設業許可取得の「最短期間」とは、「今日相談してから、行政庁に申請するまで(STEP 1〜2)をいかに早く終わらせるか」にかかっています。

【最短取得の現実的なスケジュール感】

  • STEP 1:要件診断&書類収集(最短1週間〜1ヶ月) ← 最大の難関
  • STEP 2:申請書類の作成(専門家依頼で最短1〜3日)
  • STEP 3:行政庁の審査(約30日〜45日) ← 短縮不可

すべてがスムーズに進んだ場合、ご相談から許可通知まで、どんなに早くても「約1.5ヶ月〜2ヶ月」はかかると見込んでください。

「最短」を目指すとは、STEP 1の「書類収集」とSTEP 2の「書類作成」を、いかに高速で正確に終わらせるか、ということです。

元請けに「許可取って」と言われたら「今すぐ」やるべき実践的ロードマップ

パニックにならず、以下の手順で冷静に行動してください。スピードが命です。

STEP 1:元請けへの「返答」と「時間稼ぎ」(当日〜翌日)

まず、元請けの担当者に「誠実な返答」をすることが最優先です。

NGな返答:
「無理です」「なんで急に言うんですか」「うちは500万未満だから関係ないですよね?」
(→相手を不快にさせ、即取引停止につながる可能性があります)

OKな返答(例文):
「承知いたしました。ご事情、理解いたしました。当方としても、今後の事業拡大のため許可取得は必須と考えておりましたので、現在、建設業許可専門の行政書士に依頼し、申請準備を進めております。書類収集が終わり次第、速やかに申請いたします。申請受付後、都庁の審査に約1ヶ月ほどかかる見込みです。進捗は随時ご報告いたします」

ポイントは、「許可を取る明確な意思」「すでに専門家と動いているという具体的な行動」をはっきりと示すことです。これにより、元請けは「本気で動いてくれている」と安心し、許可が下りるまで待ってくれる可能性が格段に上がります。

STEP 2:建設業専門の「行政書士」にSOSを出す(当日〜翌日)

STEP 1の返答を「ウソ」にしないため、即座に行動します。ここで「費用を節約しよう」と自力(DIY)申請を選ぶのは、「最短」を目指す上では最悪の選択です。

なぜ自力申請では「最短」にならないか?

  • 要件の勘違い:「経営経験5年」の意味を勘違いし、書類を集め直すハメに。
  • 証明資料の不足:「10年の実務経験」を証明する請求書が足りず、窓口で何度も差し戻しを食らう。
  • 時間の浪費:難解な申請書作成や、平日の昼間に何度も都庁の窓口に足を運ぶ時間的コスト。

これらのロスで、平気で数週間~数ヶ月が吹き飛びます。元請けが待ってくれる時間は有限です。「最短」かつ「確実」を目指すなら、緊急時こそプロ(建設業専門の行政書士)に任せる一択です。

相談時には、以下の情報を簡潔に伝えてください。

「元請けに許可を取れと言われた。期限はいつ頃か」
「何の業種(例:内装、塗装、とび・土工)か」
「社長の経営経験(個人事業主歴、役員歴)は何年か」
「専任技術者になれそうな資格者(例:2級建築士、施工管理技士)はいるか」

STEP 3:許可の「2大要件」をクリアする(相談時〜1週間)

行政書士が「最短」で許可を取るために、真っ先に確認するのが以下の2大要件です。あなたも「今すぐ」ご自身の状況を確認してください。

壁1:「経営業務の管理責任者(経管)」は誰か?

「建設業の経営経験が5年以上(または6年以上)ある役員」のことです。通常は社長ご自身がこれに該当するかを証明します。

  • 「役員」としての経験が5年ありますか?
  • もし足りなくても、その前に「個人事業主」としての経験はありませんか?(合算できます)

【最短術】:
経験を証明するため、行政書士は「今すぐ探してほしい資料」を具体的に指示します。(例:過去5年分の確定申告書B表、工事請負契約書、請求書控え、当時の銀行通帳など)

壁2:「専任技術者」は誰か?

「許可を取りたい業種の専門技術を持つ者」のことです。クリアする方法は主に2つ。

  1. 国家資格者:「2級建築士」「1級・2級施工管理技士」など、定められた国家資格を持つ人が社内にいるか?(→いれば最速です。資格証のコピーだけでOK)
  2. 実務経験10年:上記資格がない場合、その業種で「10年以上の実務経験」を証明する必要があります。

【最短術】:
「10年の実務経験」の証明が、実は最大のボトルネックです。過去10年分の工事実績を証明する資料(契約書、請求書、通帳入金履歴など)を膨大に集める必要があります。行政書士は、「どの資料を」「何年分」「毎月何件ずつ」集めれば行政庁が納得するか、最短の資料収集ルートを即座に提示します。

STEP 4:500万円の「財産的基礎」の準備(1週間〜)

「500万円以上の資金力」を証明する必要があります。これもクリアする方法は2つあります。

  1. 直近の決算書:法人の場合「貸借対照表の純資産合計」が500万円以上あるか?(→あれば残高証明は不要)
  2. 銀行の残高証明書:上記1がダメな場合、銀行で「500万円以上」の残高証明書を取得します。

【最短術】:
まず決算書を行政書士に提示してください。その場で1がクリアできるか診断します。ダメなら、2の残高証明書を「いつの時点(申請直前)」で取得すべきか、最適なタイミングを指示します。

STEP 5:「申請」と元請けへの「中間報告」(1週間〜)

STEP 3、4で必要な証明資料(+住民票や納税証明書など)がすべて揃い次第、行政書士が最短(即日〜)で申請書類を作成し、行政庁の窓口に申請します。

申請が受理されると、その場で「申請受付票(受理印が押されたもの)」が発行されます。

【最重要】:
この「申請受付票」のコピーを、すぐに元請けに提出(メールやFAX)してください。

これにより、「あなたの会社は、法的に『審査中』のステータスになった」ことが証明できます。許可が下りるまであと約1ヶ月かかりますが、この受付票を見せることで、元請けは「ああ、本当に動いてくれたんだな。あと1ヶ月待てば許可業者になるんだな」と、ほぼ確実に安心してくれます。

STEP 6:許可通知(申請から約1ヶ月後)

あとは行政庁の審査を待つだけです。専門家に任せていれば、書類不備による差し戻し(補正)のリスクは最小限です。

無事に審査が通れば、「許可通知書」が事務所に届きます。この通知書(または許可証)のコピーを元請けに提出し、ミッションコンプリートです。

まとめ:元請けからの「通告」はピンチではなく「チャンス」です

元請けから「許可取って」と言われたことは、決して悪い話ではありません。それは、「あなたの会社の技術力や仕事ぶりを評価しており、今後も継続して取引したい」という元請けからのメッセージに他ならないからです。

ここで「無理です」と断れば、その元請けとの関係は終わってしまうかもしれません。しかし、この要求に「最短」で応えることができれば、元請けとの信頼関係はより強固なものになります。

そして何より、建設業許可を取得すれば、あなたは「500万円の壁」を気にする必要がなくなり、より大きな金額の工事を堂々と受注できる「お墨付き」を手に入れることになります。これは、あなたの事業を次のステージへ引き上げる、またとない「チャンス」なのです。

ピンチをチャンスに変えるため、今すぐ「最短ロードマップ」の第一歩を踏み出してください。スピードが命です。

「元請けに言われて困っている」社長様へ。スピード勝負です。

今すぐお電話ください。最短の申請スケジュールをご提案します。

当事務所は、このような緊急性の高いご相談を数多く解決してきた「建設業許可専門」の事務所です。

お電話(またはメールフォーム)で「社長の経営経歴」「技術者の状況」をヒアリングできれば、その場で「許可取得の可能性」と「最短でいつ申請できるか」の目途を即時診断いたします。

悩んでいる時間が一番のロスです。元請けの信頼を失う前に、今すぐ行動を起こしましょう。