ものづくり補助金、交付後に必要な手続きとは?【東京都対応・行政書士解説】
「やった!補助金に採択された!」
…けれど、ここで安心してはいけません。
ものづくり補助金の本当の勝負は、“採択後”に始まるとも言われています。
補助金は「採択=自動的にお金がもらえる」わけではなく、その後にいくつもの交付手続き・事業実施・報告義務が待っています。これらを怠ると、最悪の場合「補助金がもらえない」「返還請求される」ことも。
この記事では、東京都の中小企業・小規模事業者の方向けに、ものづくり補助金の採択後に必要な手続きを、行政書士の視点から分かりやすく解説します。
■ 採択されたら何をすべき? 〜最初のステップ〜
まず押さえておきたいのは、「採択=交付決定」ではない、ということです。
採択結果の発表後、実際に補助金を使うには「交付申請」というステップを踏む必要があります。
【採択後の大まかな流れ】
- 交付申請書の提出(ここで初めて「補助金をください」と正式申請)
- 交付決定通知書の受領(これで補助金の使用が許可される)
- 事業の実施・完了(機械購入・試作など)
- 実績報告書の提出(事業終了後)
- 補助金の請求と入金
つまり、「採択」はスタート地点にすぎず、実際に補助金を受け取るにはいくつものハードルを越える必要があります。
■ 書類作成と証拠保全がカギ!【交付申請のポイント】
【必要な書類の例】
種類 | 内容例 |
---|---|
交付申請書 | 補助金を正式に申請する文書 |
事業計画書(最新版) | 採択時の内容に変更がないか確認される |
見積書・発注書・契約書等 | 補助対象経費に関する証拠書類 |
資金調達証明書類 | 自己資金・借入の証明(残高証明・借入契約書など) |
とくに注意したいのが、「補助対象経費は交付決定前に使ってはいけない」という点です。たとえば、機械を発注してしまったあとに「交付決定されませんでした」となった場合、その費用はすべて自己負担になります。
交付決定通知が届くまでは、絶対に発注・支払・契約をしてはいけません。
■ 補助金は「使って終わり」ではない! 実績報告の義務
補助事業が完了したら、「実績報告書」を提出します。これは、「ちゃんとルール通りに補助金を使ったか?」を報告する書類です。
内容はかなり詳細で、以下のような書類を求められます。
- 納品書、請求書、振込明細などの証拠書類一式
- 事業の成果を示す資料(写真・報告書・性能評価など)
- 賃金引き上げ要件の実施状況(該当事業者のみ)
ここで不備があると、補助金の一部または全部が「不交付」となるケースもあります。
証拠書類の保管・記録の整理は日頃から徹底しておきましょう。
■ 補助金の入金までにかかる時間は?
「実績報告が終わった=すぐ入金される」と思いがちですが、実際にはそこから約1~2か月程度かかることが多いです。
つまり、設備費や試作費などの支出は一度自社で立て替え、あとから補助金で精算される仕組みです。
そのため、資金繰りの見通しを立てておくことが重要です。
■ よくあるトラブルと失敗例【東京都内での事例】
【事例1】交付決定前に機械を発注 → 経費対象外に
板橋区の製造業B社は、採択通知の直後に設備を発注。
ところが、交付申請書の内容に一部不備があり、交付決定に至らず。
→ 結果、700万円分の費用がすべて自腹に。
【事例2】書類の不備で補助金額が減額
世田谷区のIT企業C社は、証憑類の保存が甘く、複数の支出が証明できず。
→ 補助金が150万円減額されて支給。
これらはすべて、「採択後のフォロー不足」が原因です。
■ 行政書士によるフォローのメリットとは?
当事務所では、申請から交付後の手続きまで一貫してサポートしています。
行政書士がサポートすることで、以下のような安心があります。
- 交付申請書の作成・確認
- 書類の整合性チェック
- 実績報告書の作成支援
- 必要な証憑の保存指導
- 補助金精算・請求までのスケジュール管理
東京都内では制度変更も多いため、最新の公募要領に精通した専門家の支援が重要です。
■ まとめ|「採択後」こそが補助金の本番!
ものづくり補助金は、採択されて終わりではありません。
むしろ、「交付申請→事業実施→実績報告→補助金請求」と続く長いプロセスが待っています。
だからこそ、採択されたあとも「きちんとしたフォロー体制」が必要不可欠です。
当事務所では、東京都内の中小企業の皆さまの補助金申請・実績報告・資金繰りのご相談まで、ワンストップで対応しています。
「採択されたけど、これからどう進めたらいいか分からない…」
「申請はできたけど、書類作成が不安…」
そんな方は、補助金実務に強い行政書士にぜひご相談ください。