許可が必要な金額の目安・軽微な工事との違いを行政書士が解説

建設業を営むうえで、「建設業許可が必要かどうか」は非常に重要な判断ポイントです。
実際、「うちは小規模だから不要でしょ?」「500万円以下なら何でもできるんですよね?」といった誤解も多く見られます。

本記事では、建設業許可が必要な工事と不要な工事の違いについて、行政書士が法令をもとにわかりやすく解説します。八王子市・府中市・立川市など多摩地域で建設業を始めたい方、必読です。


目次

  1. 建設業許可が必要な工事とは?
  2. 許可が不要な「軽微な工事」とは
  3. 建築一式工事と専門工事の違い
  4. よくある誤解と注意点
  5. 許可がないまま請負を行った場合のリスク
  6. 建設業許可が必要なタイミングと業種選定の注意点
  7. 許可取得のメリットと実務的な影響
  8. よくある質問(FAQ)
  9. 建設業許可のご相談はおくだいら行政書士事務所へ

1. 建設業許可が必要な工事とは?

建設業法第3条により、一定規模以上の工事を請け負って営業を行うには「建設業許可」が必要と定められています。
ここでいう「一定規模以上」とは、下表の金額に該当する工事を指します。

工事の種類許可が必要となる金額の目安
建築一式工事1件あたり1,500万円(税込)以上 または 延床面積150㎡超の木造住宅
その他の工事(専門工事)1件あたり500万円(税込)以上

つまり、「請負契約金額(税込)」が上記金額を超える場合には、必ず許可を取得しなければならないということです。


2. 許可が不要な「軽微な工事」とは?

許可が不要なケースとして、「軽微な建設工事」という例外規定があります。
この軽微な工事は、以下のように定義されています。

  • 建築一式工事:1件あたり1,500万円未満(税込)、かつ木造住宅の延床面積が150㎡以下
  • それ以外の工事(電気・管・内装・塗装等):1件あたり500万円未満(税込)

軽微工事の具体例:

  • 内装のクロス張り替え(200万円)
  • 外壁の塗装工事(400万円)
  • 小規模なリフォーム(500万円未満)

この範囲内であれば、許可がなくても請負工事を行うことは可能です。
ただし、「500万円未満ならなんでもOK」というのは誤解であり、建築一式工事は面積制限も併せて考慮しなければなりません。


3. 建築一式工事と専門工事の違い

建設業許可には29の業種があり、大きく以下の2つに分類されます。

区分概要
建築一式工事土地の造成から建物の設計・施工まで、一体的に行う工事
専門工事(29業種)電気、管、左官、屋根、内装、塗装、防水、解体など、特定作業を請け負う工事

建築一式工事は、比較的大規模で、複数の専門工事を取りまとめる「元請」業者が行う場合が多いです。
一方、電気工事や塗装工事といった専門工事は、単体で工事を請け負う際に必要です。

☑ 注意:専門工事を「一式」で請け負う場合でも、合計金額が500万円を超えるなら許可が必要になります。


4. よくある誤解と注意点

誤解①:「材料費や設計費は含まないんでしょ?」

→ いいえ。建設業法上の「請負金額」は、材料費・設計費・管理費をすべて含んだ税込価格です。


誤解②:「複数回に分ければ500万円以下になるからOKでは?」

→ 不可です。契約の分割は無効と見なされる場合があり、意図的な回避と判断されれば法令違反になります。


誤解③:「元請に許可があれば、下請はなくてもいい?」

→ 下請業者が500万円以上の工事を請け負うなら、元請かどうかにかかわらず許可は必要です。


5. 許可がないまま請負を行った場合のリスク

建設業法違反に該当した場合、次のようなリスクが生じます。

  • 懲役6か月以下または100万円以下の罰金
  • 工事契約の無効化・違約金発生
  • 発注元・金融機関からの信頼喪失
  • 元請からの発注停止や契約解除

一度の違反でも、今後の経営に大きな影響を与える可能性があるため、早期の許可取得が推奨されます。


6. 建設業許可が必要なタイミングと業種選定の注意点

「今は軽微な工事しかやっていないから、許可は後回しでいい」とお考えの方も多いですが、実際には以下のようなケースで、許可が必要になる可能性が急増します。

  • 元請から大きな案件を提示された
  • 公共工事の入札に参加したい
  • 法人化・事業拡大を検討している
  • 技術者が入社して新たな工事ができるようになった

特に業種の選定には注意が必要で、29業種それぞれで許可が必要となります。
たとえば、「塗装工事業」と「内装仕上工事業」は別の業種として扱われ、個別に専任技術者が必要です。


7. 許可取得のメリットと実務的な影響

建設業許可を取得することで、次のような実務面でのプラス効果があります。

  • 受注単価の引き上げが可能になる
  • 下請先・元請先の信用が高まる
  • 融資や補助金の審査でプラス評価
  • 経審・公共入札への参入資格が得られる
  • 法人格の「中身」が整い、成長軌道に乗せやすくなる

8. よくある質問(FAQ)

Q. 材料支給の工事でも、請負金額は500万円に含まれますか?
→ 含まれます。材料支給であっても、総合的な契約価値が基準となります。

Q. 見積段階では許可がなくてもよいですか?
→ 原則OKですが、契約締結前には必ず許可が必要です。

Q. 一人親方でも許可は取れますか?
→ 要件を満たせば可能です。個人事業主でも取得実績多数あります。


9. 建設業許可のご相談は、おくだいら行政書士事務所へ

当事務所では、八王子市・立川市・府中市を中心に、建設業許可の新規申請・業種追加・変更届・更新手続きまで、建設業専門の行政書士がトータルサポートいたします。

  • 「どの工事で許可が必要かわからない」
  • 「技術者が要件を満たしているか不安」
  • 「すぐに申請したい」

こうしたお悩みを丁寧にヒアリングし、最短・確実な許可取得をご提案します。


【対応地域】

府中市・八王子市・立川市・日野市・多摩市など多摩地域全域


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