自社の事業は絶対に伸びる自信がある。なのに、なぜ補助金が通らないのか?」
補助金の申請を行い、不採択通知を受け取った経営者様から、このようなご相談をいただくことが多々あります。素晴らしい技術やアイデアを持っているにもかかわらず、補助金審査という「関門」を突破できない。その原因の9割は、「審査員に伝わる言葉で書かれていない」ことにあります。
補助金申請において最も重要なのは、優れた事業を行うことと同時に、「その事業がいかに税金を投入する価値があるか」を審査員に納得させることです。
本記事では、数多くの採択案件をサポートしてきたおくだいら行政書士事務所が、「審査員が事業計画書のどこを見ているのか」という裏側の視点を徹底解説。採択率を劇的に高めるためのポイントをお伝えします。
1. 敵を知る:補助金の「審査員」とは誰なのか?
事業計画書を書く前に、まず理解すべきは「読み手」の存在です。あなたの熱い想いが詰まった計画書を読むのは、どのような人物なのでしょうか。
審査員は「その業界の専門家」ではないことが多い
多くの補助金(ものづくり補助金や事業再構築補助金など)の審査員は、中小企業診断士や大学教授、民間のコンサルタントなどが務めます。彼らは「経営のプロ」ではありますが、必ずしも「あなたの業界(例えば特殊な金属加工や、最新の美容医療など)の専門家」ではありません。
そのため、業界用語を多用したり、専門知識がないと理解できない説明をしたりすると、その時点で「理解不能」と判断され、評価が下がります。「中学生が読んでもわかる言葉」で書くことが、採択への第一歩です。
1件あたりの審査時間は極めて短い
審査員は、短期間に数百件もの膨大な計画書を読み込みます。1件の審査にかけられる時間は、長くても15分〜20分程度と言われています。
つまり、「パッと見て内容が頭に入ってこない計画書」は、その時点で不利になります。 びっしりと文字だけが詰まった文章よりも、適度な見出し、図表、写真が配置された「スキャナブル(読み飛ばし可能な)」構成が好まれるのは、こうした審査現場の事情があるからです。
2. 審査員が開始3分でチェックする「3つの視点」
審査員は漫然と読んでいるわけではありません。彼らは「採択すべき理由」と「落とす理由」を探しながら読んでいます。特に重視されるのは以下の3点です。
①「なぜ、今やる必要があるのか?」(必要性・緊急性)
「良い事業なのはわかるが、なぜ国の補助金を使って、今すぐにやる必要があるのか?」 この問いに答えられなければ、採択はされません。
- 物価高騰で、従来のビジネスモデルが限界に来ている
- 法改正により、今すぐシステム改修をしないと業務が回らない
- 市場のトレンドが変わり、今参入しなければシェアを奪われる
このように、「待ったなしの状況」と「補助金があれば解決できる」というロジックを繋げることが重要です。
②「本当に実現できるのか?」(実現可能性)
夢のような売上目標や、自社のリソース(人・モノ・金)に見合わない壮大な計画は、「絵に描いた餅」と判断されます。 審査員が見ているのは、以下の「足元の事実」です。
- その事業を行うための体制(人員)は確保できているか?
- 銀行からの融資など、資金調達の目処は立っているか?
- 既存顧客や協力会社など、売上を作るための基盤はあるか?
「これから頑張ります」ではなく、「すでにこれだけの準備があり、あとは資金があればGOできる」という状態を示す必要があります。
③「費用対効果はあるか?」(投資効果)
補助金は税金です。投入した税金以上の効果(売上アップ、利益増、雇用の創出、賃上げ)がリターンとして見込めなければなりません。 「新しい機械が入って楽になります」だけでは不十分です。「機械導入により生産性が20%向上し、粗利が〇〇万円増え、その分を従業員の給与アップに還元できる」という、数値に基づいた成果が求められます。
3. 採択される事業計画書に共通する「ストーリーの黄金律」
採択率が高い事業計画書には、共通する「型(ストーリーライン)」が存在します。おくだいら行政書士事務所では、以下の5ステップを意識して構成を練り上げます。
【最強の事業計画書・5ステップ構成】
- 現状分析と課題:自社が置かれている市場環境と、抱えている切実な悩み(売上減、人手不足など)。
- 自社の強み:課題を解決するために使える自社の武器(技術力、顧客リスト、立地など)。
- 解決策(補助事業):強みを活かし、課題を解決するための具体的なアクション(設備投資、システム導入)。
- 市場ニーズと優位性:そのアクションを受け入れてくれる顧客は誰か?競合とどう違うのか?
- 数値計画と未来:結果として、3〜5年後に会社はどう成長し、地域社会にどう貢献するのか。
不採択になる計画書の多くは、この「1.現状分析」と「2.強み」の分析が甘く、いきなり「3.解決策(〇〇を買いたい)」の話から始まってしまいます。それでは審査員に「なぜこの会社がやる必要があるのか?」が伝わりません。
「課題」と「強み」が掛け合わさって初めて、「新しい取り組み」の説得力が生まれるのです。
4. 明暗を分ける「加点項目」と「政策トレンド」の理解
事業計画書の完成度だけでなく、形式的な「加点」を取りこぼさないことも、採択率を上げるための必須テクニックです。
行政が推進したい「キーワード」を盛り込む
補助金には、その時々の国の政策が色濃く反映されます。審査項目や公募要領を読み解くと、国が「何をしてほしいか」が見えてきます。
- DX(デジタルトランスフォーメーション):生産性向上
- GX(グリーントランスフォーメーション):脱炭素・省エネ
- 賃上げ:従業員への還元
- インボイス対応:取引環境の整備
これらのキーワードに関連する取り組みを計画に盛り込み、適切にアピールすることで、審査員の心証は大きく変わります。
加点項目は可能な限り取る
「パートナーシップ構築宣言」や「事業継続力強化計画(BCP)」の策定、「賃上げ表明」など、事務的な手続きや宣言を行うだけで審査上の点数が加算される項目があります。 ボーダーライン上の争いになった際、この数ポイントの差が合否を分けます。当事務所では、こうした加点項目の取得サポートも漏れなく行っています。
5. おくだいら行政書士事務所が選ばれる理由
当事務所は、東京都国立市・府中市・立川市エリアを中心に、多くの中小企業様の補助金申請をサポートしています。なぜ、当事務所の支援によって採択率を高めることができるのか、その理由をお伝えします。
理由①:審査・行政側の論理を熟知したロジック構築
代表行政書士は、長年にわたり官公庁の業務に従事し、申請を受け付け、審査をする側の現場を見てきました。そのため、「役所が好む論理構成」や「審査員が嫌う表現」を肌感覚で理解しています。 「てにをは」の修正や体裁を整えるだけの代行ではなく、審査員が「これなら通さざるを得ない」と納得する、骨太なロジックを構築します。
理由②:中小企業診断士との連携による「金融・経営視点」の網羅
補助金審査は、単なる作文コンテストではありません。財務の健全性や収益計画の妥当性といった「数字の裏付け」が厳しく問われます。 当事務所では、金融機関での融資審査経験や、実際の補助金審査員経験を持つ提携中小企業診断士とチームを組み、多角的な視点から計画書をブラッシュアップします。これにより、行政書士の「文書作成能力」と、診断士の「経営分析能力」を掛け合わせた、死角のない計画書が完成します。
理由③:採択後の「実行支援」まで見据えた計画づくり
補助金は「採択されて終わり」ではありません。採択後の「交付申請」、事業完了後の「実績報告」、そして数年間にわたる「事業化状況報告」など、膨大な事務作業が待っています。 無理な計画で採択されてしまうと、その後の報告業務で苦しむことになります。当事務所では、採択後の運用負荷まで考慮し、現実的かつ効果的な計画策定を行うとともに、採択後の事務手続きまで一貫してサポートいたします。
6. まとめ:事業計画書は「提案書」である
補助金の事業計画書を、自社の夢を語る「ラブレター」だと考えてはいけません。これは、国に対して「私に投資すれば、これだけの政策効果(リターン)をお返しします」と約束する、冷静な「投資提案書」であるべきです。
もし、あなたが、
- 「自分の事業には自信があるが、書類作成が苦手で伝えきれない」
- 「過去に自分で申請して落ちてしまい、どこを直せばいいかわからない」
- 「確実に採択を勝ち取り、事業を加速させたい」
とお考えであれば、ぜひ一度、おくだいら行政書士事務所にご相談ください。
審査側の視点を熟知したプロフェッショナルとして、あなたの事業の「真の価値」を言語化し、採択という結果でお応えします。