東京都創業助成金(最大400万円)の申請要件を徹底解説|多摩地域(府中・立川・八王子)の創業支援事業と注意点

東京都内でこれから起業を予定している方や、創業して間もない個人事業主・法人代表者の方にとって、公益財団法人東京都中小企業振興公社(以下「公社」)が実施する「創業助成事業(創業助成金)」は、創業初期の資金繰りを大きく支える非常に有力な制度です。

賃借料(家賃)や広告費、従業員の人件費といった、通常の補助金では対象になりにくい「運転資金」が広く助成対象となり、最大400万円(下限100万円・助成率3分の2以内)の助成を受けることができます。

しかし、創業助成金は誰でもすぐに申請できるわけではありません。「経営経験が通算5年未満であること」などの基本的な属性要件に加え、「東京都や自治体が指定する22の創業支援事業のいずれかを利用し、証明等を受けていること」という厳格な事前要件が課されています。特に、府中市、立川市、八王子市をはじめとする多摩地域で創業される方にとっては、「地元の商工会議所の支援が使えるのか」「どの窓口で証明書を取得すべきか」など、制度の複雑なルールを正確に把握しておく必要があります。

本記事では、令和8年度の募集要項に基づき、東京都創業助成金の基本概要から「4つの必須申請要件」、多摩地域の創業者が活用しやすい創業支援事業の選び方、そして審査落ちを防ぐための実務上の注意点までを網羅的に解説します。


東京都「創業助成事業」の基本概要と助成内容

東京都の都内開業率は約4.4%(令和6年度)と、米国や英国に比べて低い水準にあります。東京都創業助成事業は、創業希望者への着実な支援を通じて都内開業率の向上を図り、都内の産業活力向上に寄与する事業計画に対して、創業初期に必要な経費の一部を助成する制度です。

助成限度額(上限400万円・下限100万円)と助成率(3分の2以内)の仕組み

創業助成金の助成限度額および助成率は、以下のとおり定められています。

項目内容・基準
助成限度額上限額 400万円 / 下限額 100万円
※ただし、「事業費」および「従業員人件費」の助成限度額は合計300万円まで、「委託費」の助成限度額は100万円までとなります。
助成率助成対象と認められる経費(税抜)の 3分の2以内(千円未満切り捨て)
助成対象経費1. 事業費:賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費
2. 従業員人件費:都内勤務の正規従業員給与(月額35万円上限)、パート・アルバイト賃金(日額8,000円上限)
3. 委託費:市場調査・分析費

ここで注意すべき実務上のルールが2つあります。第一に、「従業員人件費のみ」「委託費のみ」または「従業員人件費および委託費のみ」を助成対象経費として申請することはできません。必ず「事業費(家賃や広告費、備品購入費など)」を助成対象経費に含めて申請計画を立てる必要があります。

第二に、上限の400万円満額を申請する場合でも、内訳には制限があります。事業費と従業員人件費の合計で申請できる上限は300万円までであり、残りの100万円分は委託費(市場調査・分析費)で計上しなければ400万円には到達しません。市場調査等の外部委託を行わない一般的な事業計画においては、実質的な助成上限額は300万円(税抜きの対象経費合計で450万円以上)となる点を理解しておく必要があります。

助成対象期間(交付決定日から6か月以上2年以内)とスケジュール

助成対象期間は、「交付決定日から6か月以上2年が経過する日までの間で、事業に必要な期間」と定められています。原則は2年間ですが、交付決定日から6か月以上が経過すれば、2年が到来する前に事業を完了させることも可能です。

令和8年度第1回募集のスケジュールは以下のとおりです。

  • 申請受付期間:令和8年4月7日(火)10時00分 ~ 令和8年4月16日(木)23時59分
  • 申請方法:国の電子申請システム「Jグランツ」による電子申請のみ(郵送や持込は一切不可)
  • 書類審査結果通知:令和8年6月中旬頃
  • 面接審査:令和8年7月2日(木)~ 7月9日(木)
  • 交付決定・採択通知:令和8年9月1日(予定)
  • 助成対象期間(最長2年のケース):令和8年9月1日 ~ 令和10年8月31日
  • 助成対象期間(最短6か月のケース):令和8年9月1日 ~ 令和9年2月28日

【重要:助成金は「後払い」です】
創業助成金は、採択(交付決定)された時点ですぐにお金が振り込まれるわけではありません。助成対象期間が終了した後に「実績報告」を行い、公社による「完了検査」を経て助成金額が確定した後に初めて支払われます(なお、対象期間が6か月を超える場合は、6か月経過以降に1回に限り「中間報告・中間検査」を経て中間払を受けることが可能です)。したがって、助成金が入金されるまでの間、自社の自己資金や融資等で事業経費を先行して支払う資金計画が不可欠となります。


【申請要件1】対象となる「創業者等」の定義と除外条件

創業助成金に申請するためには、【申請要件1】から【申請要件4】までの4つの要件をすべて満たす必要があります。まずは【申請要件1】である「誰が申請できるのか(創業者等の定義)」について解説します。

創業前の個人、開業5年未満の個人事業主、設立5年未満の法人代表者の要件

公社が申請書を受理する時点において、以下の1〜3のいずれかに該当する必要があります。

  1. 都内での創業を具体的に計画している個人の方
  2. 中小企業者に該当する法人・個人のうち、以下のいずれか1点を満たす方
    • 法人設立登記を行ってから5年未満の法人の代表者:本店(士業法人は主たる事務所)の所在地が都内に登記されており、都内で実質的に事業を行っている本店が実在していること。
    • 税務署へ開業の届出を行ってから5年未満の個人事業主:納税地と主たる事業所等が都内に実在しており、都内の主たる事業所等において実質的に事業が行われていること。
  3. 特定非営利活動法人(NPO法人)のうち、以下の2点を満たす方
    • 法人設立登記を行ってから5年未満のNPO法人の代表者であり、主たる事務所が都内に登記・実在し、実質的に事業を行っていること。
    • 中小企業者の振興に資する事業を中小企業者と連携して行うもの、または中小企業者の支援のために中小企業者が主体(表決権を有する社員の2分の1以上)となって設立するものであること。

なお、対象となる「法人」は株式会社、持分会社(合名会社、合資会社、合同会社)、士業法人、および上記条件を満たす特定非営利活動法人に限られます。一般社団法人、一般財団法人、事業協同組合、有限責任事業組合(LLP)、医療法人、社会福祉法人などは申請対象外です。また、個人開業医の方が病院や診療所等で患者に対して医業を行う事業として申請することもできません。

さらに、大企業が単独で発行済株式総数や出資総額の2分の1以上を所有している場合や、複数の大企業が3分の2以上を所有している場合、役員総数の2分の1以上を大企業の役員・職員が兼務している場合などは「みなし大企業」と判定され、申請対象から除外されます。

要注意!「通算5年以上の経営経験」の算出ルール(別法人・雇われ社長・休業期間の扱い)

現在の会社を設立してから5年未満であっても、代表者個人に「個人事業主・法人の登記上の代表者として、通算5年以上の経営経験(海外での経験も含む)」がある場合は、申請を行うことができません。この「経営経験」の期間算出には非常に細かいルールが存在するため、事前確認が必須です。

  • 個人事業+法人代表の合算:業種や事業形態を問わず、税務署へ「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出して以降の個人事業主の期間と、法人の登記上の代表者期間を合算して算出します(今回申請する法人とは別の法人で代表者を務めていた期間も含まれます)。
  • 雇われ社長・子会社社長の扱い:自らが株主(オーナー)でなくとも、いわゆる「雇われ社長」や「子会社の社長」として法人の登記上の代表者に就任し事業を実施した期間は、すべて経営経験に含まれます。
  • フリーランス期間の扱い:税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出せずにフリーランスとして活動していた期間は、経営経験には含まれません。
  • 休業期間の除外:休業である旨を記載した確定申告書を提出した個人事業主や、休業の異動届出書を税務署に提出した法人代表者については、その休業期間は経営経験の期間から除かれます(申請時に異動届出書や確定申告書の提出が必要です)。
  • 期間が重複する場合:株式会社Aと株式会社Bの2社で代表者を務め、その期間が重複している場合は、重複期間を二重にカウントせず、通算の実期間で算出します。

「実質的に事業を行っている」都内拠点の判断基準(バーチャルオフィスが原則不可である理由)

募集要項では、都内の本店や主たる事業所において「実質的に事業を行っていること」が強く求められています。これは、単に商業登記や開業届の住所が東京都内にあることや、建物が存在することだけを意味するものではありません。

客観的に見て都内に根付く形で事業活動が行われているかが問われ、具体的には「ホームページ、名刺、看板や表札、電話等連絡時の状況、事業実態や従業員の雇用状況等」から総合的に判断されます。

そのため、都内のバーチャルオフィスのみを利用している場合は申請要件を満たしません(バーチャルオフィス以外に、都内において実質的に事業を行っている別の実在拠点が存在する場合に限り要件を満たします)。なお、登記や開業届の所在地と、実質的に事業を行っている所在地が異なる場合でも、その両方が東京都内に実在し、実質的な拠点で事業が行われていれば申請は可能です。


【申請要件2】必須となる「指定22の創業支援事業」の選び方(多摩地域編)

創業助成金の最大のハードルとなるのが【申請要件2】です。公社が申請書を受理する時点までに、東京都や公社、都内区市町村などが実施する「指定された22の創業支援事業」のいずれかを利用し、所定の証明等を受けていることが必要です。

指定22事業には、東京都のアクセラレーションプログラムやベンチャーファンドからの出資、創業支援施設への入居など様々なメニューがありますが、府中市、立川市、八王子市をはじめとする多摩地域の多くの創業者にとって、現実的かつ利用しやすい主要ルートは以下の3つに集約されます。

1. TOKYO創業ステーションTAMA(立川)の「プランコンサルティング」活用法と所要期間

1つ目は、公社が運営する「TOKYO創業ステーション(丸の内)」または「TOKYO創業ステーションTAMA(立川市グリーンスプリングス内)」の『プランコンサルティング』による事業計画書策定支援を終了し、過去3か年の期間内にその証明(支援終了証)を受けるルート(要件1)です。

多摩地域の方であれば、立川にあるTOKYO創業ステーションTAMAを利用するのが最もスムーズです。専任のコンサルタントと面談を重ねながら事業計画書をブラッシュアップしていくため、創業助成金の申請に向けた計画の土台作りとしても非常に有益です。

【注意点:完了までに概ね3か月程度かかります】
プランコンサルティングの要件を満たして「事業計画書策定支援終了証」の発行を受けるまでには、概ね3か月程度の期間が必要とされています。申請受付期間(4月)の直前に申し込んでも到底間に合わないため、早期から逆算して利用を開始する必要があります。

2. 府中市・立川市・八王子市等の自治体による「認定特定創業支援等事業」の証明取得手順

2つ目は、産業競争力強化法に規定する「認定特定創業支援等事業」により支援を受け、過去3か年の期間内に都内区市町村長の証明を受けるルート(要件20)です。

府中市、立川市、八王子市、国立市など都内の各自治体では、創業セミナーや創業塾、個別相談などのプログラム(経営・財務・人材育成・販路開拓の4分野の知識を習得する継続的な支援)を実施しています。これを受講・修了した上で、各区市町村の窓口に申請し、自治体(区市町村長)から「特定創業支援等事業により支援を受けたことの証明書」を発行してもらうことで要件を満たします。

なお、法人の代表者や個人事業主の方は現在事業を行っている自治体、創業前の個人の方は創業を予定している自治体で支援を受けることが望ましいとされています。また、セミナーの「修了証」そのものではなく、自治体が発行した所定の「証明書(証明申請書に証明印が押されたもの)」が必要となるため、発行までの日数にも十分留意してください。

3. 【重要】商工会議所ルートの大原則(八王子・立川等の商工会議所が「要件21」の対象外となる規定と自治体の特定創業支援との違い)

ここで、多摩地域の創業者が最も陥りやすい重大な注意点(要件20と要件21の違い)を解説します。

募集要項の【申請要件2】には、要件20(自治体の認定特定創業支援等事業)とは別に、要件21として「東京商工会議所、東京信用保証協会、東京都商工会連合会、中小企業大学校東京校BusiNestより認定特定創業支援等事業に準ずる支援を受け、過去3か年の期間内にその証明を受けた方」という項目が存在します。

しかし、募集要項の注意事項には以下のとおり明確に規定されています。

・21:東京商工会議所以外(例:八王子商工会議所、武蔵野商工会議所、青梅商工会議所、立川商工会議所等)で実施する支援は対象になりません。(募集要項 P11より引用)

つまり、八王子商工会議所や立川商工会議所、むさし府中商工会議所などが独自に行っている支援を「要件21(準ずる支援)」として申請することはできません。

ただし、多摩地域の商工会議所や商工会が、各市町村(八王子市や立川市、府中市など)と連携して「自治体の認定特定創業支援等事業(要件20)」の認定機関となっているケースは多数あります。この場合は、商工会議所等でセミナーや相談を受けた後、最終的に「八王子市長」や「立川市長」「府中市長」といった自治体(区市町村長)から要件20の証明書を発行してもらうことで、問題なく申請要件を満たすことができます。多摩地域で商工会議所等を利用される際は、必ず「自治体の特定創業支援等事業(要件20)の証明書発行につながるプログラムか」を確認してください。

4. 東京都中小企業制度融資(創業)や信用保証協会保証付融資を利用するルート

3つ目の主要ルートは、所定の創業融資を利用して要件を満たす方法です。具体的には以下の融資制度が対象となります。

  • 要件15:東京都が実施する「女性・若者・シニア創業サポート事業」「女性・若者・シニア創業サポート事業2.0」において、取扱金融機関(信用金庫・信用組合)から融資を受け、その利用証明書を受けた方。
  • 要件16:東京都中小企業制度融資(創業融資)を利用している方(信用保証協会の「信用保証決定のお知らせ」の制度欄に「創業」「創業支援」等の記載があるもの。「都小口」「事業一般」等は対象外)。
  • 要件17:都内区市町村が実施する中小企業制度融資のうち、創業者を対象とした東京信用保証協会の保証付き制度融資を利用している方(「信用保証決定のお知らせ」および「金銭消費貸借契約書」の提出が必要。「○○市小口」等の記載で創業と判別できない場合は、自治体のあっせん書等の追加提出が必要)。

※なお、日本政策金融公庫の一般的な創業融資(新創業融資制度など)は、この要件には含まれていません(政策金融機関の融資で対象となるのは、返済期限到来時の一括返済を特徴とする「資本性劣後ローン(創業)」(要件19)のみです)。

融資ルート(要件15・16・17)は、融資実行時点に定められた返済約定期間が申請時点を含んでいれば、申請時点までに繰上完済を行った方も対象になります。また、個人事業主として創業融資を受けた後に法人化(法人成り)して法人として創業助成金に申請する場合でも、「①法人が創業融資を利用した個人事業と同一事業を実施していること」「②個人事業を行っていた方が代表者となっている法人であること」の2点を満たせば(経営経験通算5年未満に限る)、要件を引き継ぐことが可能です(要件20・21の特定創業支援証明も同様に、証明書記載の個人と法人代表者の同一性が確認できれば引き継ぎ可能です)。


【申請要件3・4】資金計画・納税証明・重複助成のハードル

創業者としての属性(要件1)と創業支援事業の利用(要件2)をクリアした上で、さらに【申請要件3】(事業内容や資金計画の適格性)および【申請要件4】(所在地証明、納税、重複助成の制限等)のすべてを満たす必要があります。

都内での事業継続義務(終了後5年間)と都民税・事業税の納税要件(分納・滞納の扱い)

創業助成金は東京都の公的財源(税金)を原資としているため、都内での事業継続と納税に対して極めて厳格な条件が課されています。

  • 5年間の事業継続・納税義務:申請書受理時点から助成対象期間終了後、さらに「助成対象期間終了年度の翌年度から起算して5年以上経過するまでの期間」にわたり、都内に登記および実質的な本店(主たる事業所)を実在させ、法人事業税・法人都民税(個人の場合は個人事業税・個人都民税)を東京都に継続して納税し続ける義務があります。
  • 納税証明書の提出と滞納・分納の扱い:申請時には、都税事務所や区市町村が発行する直近の納税証明書(原本のスキャンデータ)を提出しなければなりません(税務署が発行する国税の納税証明書ではない点に注意してください)。ここで、住民税や事業税、法人都民税に「滞納」がある場合は申請できません。募集要項上、「都や区市町村との協議に基づく分納」も滞納に含まれると明記されているため、分納中の方は要件を満たさないことになります。
  • 個人事業主の「納税地」の罠:個人事業主の方で、「主たる事務所・店舗は東京都内にあるが、自宅が都外(埼玉県、神奈川県、千葉県など)にあり、自宅を納税地として開業届を出している」というケースがよくあります。この場合、そのままでは「納税地が都内にあること」という要件を満たしません。申請を行うまでに、納税地を都内の事業所所在地に変更する「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」を税務署に提出し、その控えを開業届の写しと共に提出する必要があります。

助成金なしでも実施可能な資金計画と「法人成り」の禁止期間

【申請要件3】では、「助成金の交付がない場合であっても、事業の実施が可能な資金計画であること」および「助成対象期間の終了(中間払は6か月経過時点)から一定の期間を経過した後に助成金が支払われる点を踏まえた資金計画であること」が必須条件とされています。申請書の「資金繰り表」において、四半期ごとの次期繰越残高が一度でもマイナスになるような計画は認められません。

また、個人事業主や創業予定の個人として申請する方が絶対に知っておくべきなのが、「法人設立(法人成り)により助成金が受給できなくなる期間」の存在です。

  • 個人申請の原則:個人または個人事業主として申請した場合、交付決定は「個人事業」に対して行われます。交付決定の条件(負担付贈与契約)により、助成対象期間中に法人設立を行うと、助成金を受給できなくなります。
  • 法人設立が可能な「基準日」:申請後に法人化したい場合は、面接審査開始日の前営業日である「基準日(令和8年度第1回は令和8年7月1日)」までに法人設立登記を完了させ、法人名義の申請書と履歴事項全部証明書を提出すれば、設立した法人に対して交付決定が行われます。
  • 法人設立NGの空白期間:基準日の翌日(令和8年7月2日)から助成事業の完了日までの間に法人を設立すると、いかなる理由があっても助成金は受給できなくなります。この期間に法人成りを予定している場合は、申請前にあらかじめ法人を設立しておくか、7月1日までに登記を完了させるスケジュールを組む必要があります(なお、助成事業が完了した後に法人化し、代表者が同一事業を継続する場合は問題ありません)。

他の補助金・助成金との併願・重複制限ルール

過去に受けた、または現在申請中の他の補助金・助成金との関係についても厳格なルールがあります。

  • 絶対的な併用不可制度:東京都中小企業振興公社が実施する「商店街起業・承継支援事業」および「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」の助成金を過去に受けたことがある方、または受ける予定の方は申請できません(併願して両方採択された場合は、どちらか一方を辞退する必要があります)。
  • 再申請の制限:過去に本助成金(創業助成事業)に採択され、助成金を受給した方は再度申請することはできません(辞退等により受給に至らなかった場合に限り、1回のみ再申請が可能です)。なお、別事業の事業主や別法人の代表者として受給した実績もすべて申請者の受給実績にカウントされます。
  • 同一経費への重複助成の禁止:国や自治体等の他の補助金(小規模事業者持続化補助金やものづくり補助金、区市町村の補助金など)と併願・併用する場合、「同一の対象物・同一の期間」に対する重複助成は一切認められません。ただし、助成対象期間が重複していなければ、同じ事務所の家賃(賃借料)であっても対象とすることが可能です。また、期間が重複していても、別の対象物(例:区の補助金でパソコン①を購入し、創業助成金でパソコン②や広告費を申請するケースなど)であれば申請可能です。

審査を突破するための準備と「Jグランツ」電子申請の注意点

すべての申請要件を満たしていることを確認したら、申請書の作成と電子申請の準備に入ります。

事前準備の要!「GビズIDプライム」の取得(約2週間)と代理申請機能

令和8年度の創業助成事業は、デジタル庁が提供する電子申請システム「Jグランツ(jGrants)」からの電子申請のみで受け付けられます。郵送や窓口への持込は一切受理されません。

Jグランツを利用するためには、事前に「GビズIDプライム」のアカウントを取得しておく必要があります。GビズIDプライムの発行には、郵送申請の場合で2週間程度(書類不備がある場合はそれ以上)の時間がかかります。受付期間(令和8年4月7日〜4月16日のわずか10日間)に入ってからIDを申請しても締切に間に合わないため、必ず3月中にはGビズIDプライムの取得を完了させておく必要があります。

なお、Jグランツ上の当初申請手続きに限り、申請者(委任元)がGビズID上で行政書士等の第三者に委任設定を行い、所定の「同意書(代理申請用)」を提出することで、行政書士等が申請者に代わってJグランツ上で申請データを作成する「代理申請機能」を利用することが可能です(最終的な確認・提出ボタンの押下および受付後の手続きは申請者自身が行います)。

書類審査と面接審査で評価される8つの視点

審査は「書類審査(形式審査・内容審査)」「面接審査」「総合審査」の3段階で行われます。形式審査では必要書類(確定申告書、履歴事項全部証明書・開業届、納税証明書、本人確認書類、申請要件確認書類など)が1つでも欠けていると不通過となるため、指定されたファイル名規則に従って漏れなくPDFデータを揃える必要があります。

内容審査および面接審査では、以下の8つの視点から事業計画が厳しく評価されます。

  1. 製品・商品・サービス内容の完成度:具体的な内容、適切な価格設定、実施時期や場所等が明確に説明できているか。
  2. 問題意識・潜在力の明確さ:創業によって解決可能な社会課題、経営理念、自分の強み・弱みとその補強方法が明確か。
  3. 対象市場に対する理解度・適応性:想定顧客、市場の規模・特徴・成長性、競合他社との差別化・優位性が的確に把握されているか。
  4. 事業の実現性:収益獲得の仕組み、製造・調達ルート、販売戦略、想定リスクと回避方法が的確に検討されているか。
  5. 助成金の活用方法の有効性:助成金の活用方法が事業の拡充等に効果的であるか。
  6. スケジュール・経営見通しの妥当性:経営計画や売上・支出の積算根拠が実現の見込める内容か。
  7. 資金調達の妥当性:必要な資金調達が見込めるか、助成金の交付がない場合でも事業継続が可能な収支計画か。
  8. 申請経費の妥当性:事業計画に必要な経費が計上され、販売計画や経営収支と論理的に連動しているか。

【面接審査の厳格なルール】
6月中旬頃の書類審査を通過すると、7月上旬に面接審査が実施されます。面接審査会場へ入室できるのは「代表者(申請者)ご本人のみ」であり、従業員や支援専門家(行政書士や中小企業診断士など)が同席することは一切できません。さらに、面接当日は「申請時に提出した書類(申請書と添付書類)」のみ使用可能であり、パソコン等の電子機器、説明用の追加資料、商品サンプル等の持ち込み・配布はすべて禁止されています。

つまり、「面接の場で追加資料を見せて補足説明する」といった対応が一切できないため、最初に提出する申請書の中に、審査官が一目で理解できる図表や写真、明確な数値根拠をすべて盛り込んでおくことが採択への絶対条件となります。


府中市、立川市、八王子市エリア対応|おくだいら行政書士事務所の申請サポート

東京都の創業助成事業は、最大400万円(実質上限300万円〜400万円)という大きな資金的メリットがある反面、指定22事業の要件確認、納税地や法人成りの時期に関する厳格なルール、そして面接審査を見据えた緻密な事業計画書・資金繰り表の作成など、クリアすべきハードルが非常に高い制度です。

また、申請を行う事業が許認可を必要とする業種(建設業、宅建業、産業廃棄物収集運搬業、古物商、飲食店営業など)である場合、【申請要件3】において「助成事業者が、必要な許認可を取得し、関係法令を遵守していること」が求められており、申請書にも許認可の取得状況や取得見込時期を明記する必要があります。

おくだいら行政書士事務所(府中市、立川市、八王子市エリア対応)では、多摩地域で創業される事業者様・個人事業主様に向けて、東京都創業助成金の申請サポートおよび創業融資・許認可取得の一貫支援を行っております。

当事務所のサポートの強み

  • 事業会社での経営実務への深い理解:代表行政書士は、建設会社(電気工事業)の取締役として経営・資金調達・総務法務を統括した経験を有しています。単なる書類の代書にとどまらず、実際の事業運営やキャッシュフロー(資金繰り)の現実を踏まえた、実行可能性の高い計画書作成を支援いたします。
  • 中小企業診断士との連携体制:金融実務や審査経験を持つ提携の中小企業診断士とチームを組み、審査の8つの視点(市場分析、競合優位性、収支計画と申請経費の連動性など)を徹底的に検証した上で、面接審査で代表者様ご自身が自信を持ってプレゼンテーションできる事業計画書を構築します。
  • 創業融資・許認可申請からJグランツ代理申請まで対応:申請要件を満たすための「東京都中小企業制度融資(創業融資)」の計画書作成サポートや、事業開始に必要な各種許認可の取得手続き、さらにはJグランツの代理申請機能を活用した電子申請サポートまで、創業期の複雑な行政手続きをトータルでバックアップいたします。
  • 多摩地域への迅速なフットワーク:国立市を拠点とし、府中市、立川市、八王子市エリア対応として多摩地域全域へ迅速に訪問いたします。土日や夜間の電話相談等にも柔軟に対応しております。

「自分の経歴や現在の状況で創業助成金の要件を満たせるのか知りたい」「TOKYO創業ステーションTAMAや自治体の特定創業支援をどう活用すべきか迷っている」「創業融資と創業助成金を組み合わせて確実な資金計画を立てたい」とお考えの方は、おくだいら行政書士事務所までお気軽にお問い合わせください。